vol. 2 営業部長インタビュー
因野 昌也 昭和63年 メイン企画(株)入社
平成10年 (株)メインカラー営業部配属
- お客様とのやりとりで心がけている事は
- 「確認の連続がこの仕事です。
お客様の中には最初から細かい打合せはせず、『お任せします』という方もいます。 そんな時はある程度こちらで体裁を整えてから確認して頂きます。
また、細かく打合せをしていきたいというお客様もいます。
それでもあとで、『ここは知らせてほしかった』とお叱りを受ける場合もあります。
お客様それぞれのご要望を出来るだけ汲み取って、お応えしていく事を心がけています。」
- 今どきに特有の苦労などはありますか
- 「携帯電話やメールでお客様とのやりとりをすることが多いのですが、携帯で打合せをして確認はメールでとか、メールでやりとりをしていたけれど変更は電話連絡だったりとか、チェックがややこしくなってきています。
どれが最終だったかなと。
通話やメールの履歴の時間までチェックしています。
- お客様とのコミュニケーションはどうですか
- 「変わってきていると思います。
最近仕事の話ばかりになってきている…というのは当たり前の事なんですが。
以前は仕事の話が2だとしたら、8は遊びやプライベートの話だったんですけど。
それがだんだんこう、世知辛くなってきてるのか、もう“仕事の話だけ”、みたいになってきています。
コミュニケーションがとりづらくなってきている。
- 全体的に閉鎖的になってきているんですね。
- 「そうですね。忙しいとか余裕がないとか、本題に関係ない余計な話は求めていないというか。」
- 製版会社の営業として、時間と仕上りの正確さとの板挟みは?
- 「遅れそうなとき、どこで先方に伝えるか、タイミングを図るのが難しいです。
印刷の工程の中で、製版というものが、一番時間がはっきりしないんです。
遅れると伝え、じゃあいつできるのかと聞かれたとき、それもはっきり返事することが難しかったりする・・・。」
- モチベーションの高め方は
- 「営業職というものは、全てを同じやり方でできないのが難しいんです。
全てを同じやり方でできたら楽だし、教えるのも簡単ですが、そういうわけにはいかない。
担当を替えるとダメなケースもあるし、良くなるケースもあります。お客様との相性がある。
- そんな中で、お客様と満足のいくコミュニケーションが取れた時はモチベーションが上がります。
担当しているお客様のことが自分のことのように大切に思えてくるんです。
お客様と共に頑張って、一緒に伸びていければいいと思っています。」
- お客様との日々のコミュニケーションで、日々の糧を少しずつもらっているという感じですか
- 「そうそうそう。人と会う仕事なので、それ自体が楽しいなと。」
- この仕事が成功した時!などではなく?
- 「そうですね。例えば新規でお客様を紹介してもらって、新しい人と会うとか、製造部ではほぼ体験できない事ですよね。営業はそのチャンスがあるから、それがすごく楽しいんです。」
- 嬉しかったことはありますか。自分の事ではなくても
- 「モチベーションの話とかぶりますが。ええカッコするようですけど、お客様が業績好調で広いところへ移転したとか、いいところに新しく事務所を構えたとか聞くと、すごく嬉しいです。」
- 身内のような感覚なんですね。
- 「はい。新しい社員さんが入ったとか聞いても嬉しいです。」
- もともと営業職を希望していたんですか?
「はい。メイン企画に入ったときは、営業をやろうと思って入りました。
…ほんとはデザイナーになりたかったんですよ。グラフィックデザイン。ただ、デザインの世界は仕事より趣味ぐらいで置いといた方がいいと思って。」
- 人と会う事がもともと好きだったんですか?
- 「その辺が微妙なんです。一日しゃべらないでおこうと思ったらそうできるし、全然苦痛でもなんでもないし。
ただ、一人旅とかはできません。たぶん半日で帰って来ると思います。
前に立ってわーっとしゃべる方じゃないんですよ。例えば何人かで遊びに行ったとしたら、一番しゃべる人に任せます。」
- 聞き役にまわって相槌を打って
- 「そうですね。」
- 営業職は、そういうタイプの人も絶対必要ですよね
- 「ええ。向いてる向いてないで言えば向いていない方だと思うけれど、嫌いではないですね。」
- メインカラー営業部のこれからの理想の形はありますか
- 「製版のコアな部分はもちろんですが、今いろいろやっている企画的な案件、そういうクリエイティブな事のできる営業の人材も欲しいですし、その二本柱にしたいと思っています。
人と接するという部分では一緒ですが、それ以外は全然違いますから難しい部分ではあります。
ですが、絶対必要だし、それはやっていきたいなと。」
- 企画営業となると、製版以外の事も関わってくるので、その手配なども含まれるわけですよね
- 「もちろん。それに印刷が絡んでくればいいと思います。
例えば展示会をプロデュースするとか。」
- では印刷がちょっと絡んでくる企画とか
- 「たいがい印刷は絡んでくるんです。
でも印刷自体はネット印刷など手軽なものが出てきて、特別な事ではなくなってきています。
だから、単に『印刷できますよ』ではなくて、『こういうものを印刷するのはどうですか』とか。例えばカタログをやめてDMにしましょうとか。
何を印刷するかを提案する事を求められるので。
ただそういう意見を出すなら、それぞれの業種をもっと勉強しないといけないし、いきなりは難しい。
今はちょっとずつそちらの方向で行こうという雰囲気で動いてますね。」
- 体調管理は。大きい病気も経験されていますが、何か気をつけていますか
- 「いやそれが、喉元過ぎたら熱さ忘れるというか。生活習慣とは関係ない病気だったので。」
- じゃあ体調管理は
- 「してないですね。」
- 元々暴飲暴食とかしないんじゃないですか?
- 「ええ、暴飲はしませんが、暴食はする時はしますけど…。運動もゼロですね。」
- 夜更かしはしますか?
- 「しません。」
- 三食は食べていますか?
- 「朝は食べません。昼と晩、昼食べない時は晩一食が週半分くらいかな。でも最近、“一日一食”の本とか出てるじゃないですか。」
- 痩せたいと思いますか?
- 「痩せたい…ちょっと痩せたいかな。」
- 見た目は全然…
- 「いやあ…。お腹が大丈夫じゃないですね。」
- 運動はしたいと思った事はないですか
- 「思わないなあ。」
- 奥様と二人で歩きに行ったりとか
- 「それはたまにありますね。」
- 健康器具の通販のCM、山ほどしていますよね
- 「ああ、それはかなり気持ちが揺れましたけどね。“倒れるだけで腹筋鍛えられるのか~”とか。」
- 製造部に求めること、助かっていることはありますか
- 「朱書きにない“おかしな箇所”の指摘とか、助かっています。
休みにかかる仕事でもこなしてもらっていますし。予定が立てにくいので、申し訳ないなと思っています。
今動いてる某仕事でも、そうそう他社でできるものではないんですよ。そういう、お客様がうちを見込んで任せてくれているところを、きっちりやってくれている事とか。」
- 当たり前の事ですが、製造部がきっちり仕事をしていれば、それがお客様の満足に繋がるわけですね。私達(製造部)はお客様のお褒めの言葉を聞ける機会が少ないので
- 「僕らもあんまり聞かないですよ。『おおきに、ありがとう!』は言って頂けますけど。
でも今仕事を頂いているという事自体が、満足して頂いているという事ですから。
うちは安売りしているわけじゃありませんし、今いくらでも安いところがある中で、うちを選んで下さっているわけですから。そうやって満足して頂けるものを納めるという面で、組織力というか、こと製版部分においては、絶対的な力、安心感があります。」
- それがお客様へのアピールにもなるわけですね
- 「そうですね。マンパワーと品質です。それを高い次元で維持していること。」
- 品質というのは、例えばどういう事を指すのですか?
- 「画像の仕上りもそうですが、それも含めて間違いのないものです。
当社の作業においてミスのないものを納めるというのは当たり前のことなんですが、お客様から入稿されたデータがおかしくないか確認しながら作業するとか、そういう要素も含めてですから。
『よう見てくれてはるわ』と言ってもらえたりするのも、お客様はそのへんを評価して下さってるからだと思うんです。そういう事が品質だと思います。
画像の修正も、たまには一回目二回目が合わない事があっても、最後には合わせてくる力がありますから。それをいかに早く仕上げるかが課題なんですが。
- マンパワーと品質。コミュニケーションと、いいものを納品することの積み重ねが信頼に繋がっているんですね。今日はありがとうございました。
(2015年6月)